映画レビューサービスFilmarksさんの試写会に当たったので、行ってきました!
今回は主演の石原さとみさん、青木崇高さん、𠮷田監督のお三方のトークイベントもあったので、その様子も書いていきたいと思います☺︎
あらすじ
娘の美羽が失踪してから3ヶ月。
母・沙織里(石原さとみさん)と父・豊(青木崇高さん)は懸命に探すが一向に手掛かりが見つからない。
精神も体力もボロボロの沙織里に対して、冷静なように見える豊の態度に温度差を感じ、喧嘩も多くなる。
そんな2人を取材し続ける地方テレビの記者・砂田(中村倫也さん)は、自分の中の正義と会社にとっての正義の中で葛藤する。
沙織里の弟・圭吾(森優作さん)は最後に美羽といた人物として、疑いをかけられ世間や実の姉の沙織里からも誹謗中傷を受ける。
それぞれの正義・矛盾が渦巻く中で、彼らが見つける感情はなんなのか。
ただ一つの希望に向かって進んでいく、リアルな人間の物語。
トークイベントレポート
先述した通り、主演・沙織里役の石原さん、夫・豊役の青木さん、𠮷田監督が登壇なされました。
石原さんはゴジラのイベントの時にも一度拝見したことがあるのですが、相変わらず美しくお母さんになられたからか落ち着きもすごく感じました。
また、一番前の席だったので、その神々しさを目に焼き付けることができて幸せでした…🥹
そして、個人的にはやはり大阪出身の青木さんが軽快な大阪弁でトークをされているのが嬉しかったです!
知っている町の話をしてくださると、それだけで親近感が湧いてくるので元々好きでしたが、大好き!となりました😊
単純です(笑)
また事前情報で得ていた映画の雰囲気と違って、柔らかく明るそうな雰囲気の監督だったことも意外でした。
トークイベント終盤で監督の誕生日をお祝いしたのですが、「子供の日に生まれたおじさんです!」とおっしゃっていたのが可愛らしく、癒されたのが印象的です😊
しかし、映画についてのお話が始まると、空気は一気にパキッと一転しました。
特に石原さんの想いが、情熱的だったと感じています。
「言葉通り命懸けで挑んだ作品です。たくさんの人に見ていただきたいと思っています。」
とおっしゃった石原さんの言葉は、事実だったんだと映画を見終わった後痛感しました。
やはり感情というのは言葉に乗って届くものですね。
その時の建前感や社交辞令ではなく、心の底から湧き上がる言葉だったからこそ、私の記憶にも残っているのだと思います。
また青木さんは
「母親になったさとみちゃんがやる必要はあるのか。正直断ってもいいと思った。だけど彼女はやった。それが本当にすごい」
とおっしゃっていました。
本当にその通りだと思います。
わざわざ母親になった方が、この母親役は精神的に辛すぎると思います。
自分を守るために断るという選択肢があってもよかったのに、石原さんはやり遂げられた。
本当に尊敬します。
石原さんのファンであるのは、美しさだけではなく彼女の芯が感じられるところが好きだからだと思っています。
もちろん友達でもなんでもない私なので、わかったようなことは言えませんが、私から見えている石原さんにはそう思わせてくれる想いを感じています。
最後は和やかながらも、お三方のこの作品にかけた思いの強さを感じながら映画に臨むことができたのもよかったです。
温かさと情熱は、この作品にも似ているところが多かったかなと思います。
トークイベントでお話を聞いた後に見ることができてよかったです。
わざわざ大阪まで足を運んでいただきありがとうございました。
幸せな体験をさせていただきました!
(コメント部分は記憶を辿りながら書いているので、間違っている箇所もあるかもしれませんが、ご了承ください🙇🏻♀️)
おすすめポイント
・リアルすぎる人間描写
トークイベントで石原さんが、𠮷田監督の作品はドキュメンタリーのようだとおっしゃっていました。
その意味が映画を見てわかりました。
登場人物の一挙手一投足がリアルなんです。
登場人物全員がいいところも悪いところもあります。
それが人間ですよね。
でも、それをわざわざ描く映画は少ない気がします。
だからこそ、人間的でリアルで誰か1人には共感してしまう映画だと感じました。
それは良くも悪くもです。
沙織里自身が誹謗中傷される経験するのに、実の弟には容赦無く酷い言葉を浴びせる。
自分が辛い・苦しい・腹立つと散々思っているのに、その手で弟に同じような言葉を浴びせる矛盾がリアルだと感じました。
自分で自分の嫌なところは見つめ直したくないものだけど、リアルすぎてどうしても客観的に自分を見てしまうような人間描写は珍しいと感じました。
次のおすすめポイントにもつながりますが、このリアルさが石原さとみさんの新境地を生み出したのだと思います。
・石原さとみさんの新境地
先述したように、石原さとみさんの新境地がたっぷりと見ることができます。
石原さん自身から逆オファーをしたということで、公開前から話題になっていた今作。
映画を見た結果、新境地にも程があると感じました。
今まで見たことない石原さんがたくさん映し出されています。
演技ではなかったのではないかと思うほど、役と一体化していて、演じられた石原さんはすごくしんどかっただろうなと感じました。
トークイベントでもおっしゃっていましたが、本当に命懸けだと思います。
お子さんを出産なさった後に撮影に臨まれたそうです。
私も妹が出産した後をずっと見てきましたが、まず出産が命懸けでその後もホルモンバランスが崩れたりしてしんどそうでした。
それに加えて、一歩間違えたらすぐに命を落としてしまう脆い命がそばにいるということが、どれだけ精神を削られるかということを身に沁みて実感しています。
子供がいるということだけで、それだけのプレッシャーがあるのに、その自分の命より大事な娘がいなくなる母親の役なんてよく演じられたなと脱帽しました。
この役を演じただけでもすごいのに、その役から出される全ての感情が石原さんのうちから出る感情と一体化しているのがわかって、見ているだけの私が感情を出すことができませんでした。
贔屓目なしでこの作品は本当に新境地です。
もちろん素晴らしい女優さんだということは、元々存じていましたが、この作品はその思いを私の心に刻み込むものになりました。
特に私が苦しすぎて心を無くしかけたシーンは、沙織里が絶望するシーンです。
絶望ってこういう時に起きるのだなということも知ったし、その時の沙織里が生きていたのが不思議なぐらい絶望というものを体全体で伝えてくださいました。
私の人生の中で最も忘れられないシーンになったと言っても過言ではありません。
私たちがよく知っている憧れの石原さとみではなく、どこにでもいる1人の母親を見ていただきたいです。
・記憶に残るシーンの数々
先述した石原さとみさんの絶望シーンも忘れられないシーンですが、他にもたくさん記憶に残っています。
その中から私が心を動かされたシーンと言葉を1つずつ紹介したいと思います。
まず一つ目が青木さん演じる豊のラストシーン。
あらすじにも書いたように、感情でぶつかる沙織里と比べると、豊は冷静で落ち着いているように見えていました。
しかし、このラストシーンで感じたことは、目に見えるもので人は判断できないなということです。
観客は全体を通して、沙織里にフォーカスしてしまうと思いますが、豊も苦しんでいるし、豊が冷静でいるからこの2人は壊れずに済んでいると感じます。
人は目立たないものの凄さに気づかないことが多いと思います。
しかし、その目立たない優しさや努力が目立つ人を支え、その人たちを輝かすことができるのだと思っています。
その考えに豊がピタッとはまってくれたような気がして、私は豊のことが大好きになりました。
そんな豊が感情を露わにした時、私は心を揺さぶらずにはいられません。
映画全体に圧倒され続けたので、鑑賞中は泣かなかったのですが、映画が終わって帰り道で反芻している時に、この豊のシーンを思い出して泣いてしまいました。
それぐらい私にとって忘れられないシーンになっています。
続いて忘れられない言葉です。
中村倫也さん演じるテレビ記者の砂田が、上司に対していう
「考えすぎるぐらい考えましょうよ」
という言葉です。
今は誰でも自分の言葉が、多くの人の目に留まります。
その中でもテレビは、テレビ離れが進んでいるとはいえ、やはり大きな影響力があります。
そんな大きく人の意見を変えてしまいかねない人たちは、はっきりとした答えが出ないことはわかっていても考えすぎるぐらい考える。
そうしても正解はないけれど、それでも考えることの重要性を一言で、伝えてくれているなと感じました。
今、現代人は嫌というほど言葉の暴力を目の当たりにしていると思います。
私もそのうちの1人です。
でも自分がその暴力をしていないか、したことがないかと問われるとはっきりとは答えることができません。
どんな言葉でも傷つく人がいる可能性はあります。
そして、自分の言葉が意図しない形で伝わることもあります。
今ここで文章を綴っていますが、こちらも自分が思っている通りに伝わるかはわかりません。
だからこそたくさん考える。
自分が伝えたい気持ちが書けているか、またこの言葉で傷つく人はいないかを考える。
考えることは正直大変です。
面倒くさいことだとも思います。
全てを完璧にする必要はないし、どれだけ考えても傷つけることはあります。
それでも今の自分が考えられる最大の表現を使ったのだとしたら、あとは学びに変えていくしかないのではないでしょうか。
ただそこを怠ると、自分の言葉の重要性に気付かず学ぶこともないと思います。
いつの時代も言葉は最大の武器であり、最大の薬です。
傷つけることがあったとしても、自分が薬として出せているか最大限に考えてから、これからも言葉を発したいなと改めて強く思う言葉でした。
感想
先述した通り圧倒され続けました。
私はいわゆる暗い、重い物語は感情を引きずってしまうので苦手なのですが、この作品はあまりにも圧倒されすぎて自分の心が入り込む余裕がありませんでした。
ただ心にすごく残って、自分の人生で大切にしたい映画だと感じています。
2回目が見れるかどうかは自信がありませんが、たくさんの人に見ていただきたい作品だと確信しています。
ただ感情移入しすぎてしまう方は、無理しないでいただきたいです。
それぐらい辛いとは思いますが、たくさんの人に見ていただきたいと強く思う作品です。
ここでも感情の矛盾が生じてしまうのが、この作品らしさかなとも感じました。
そして最後に個人的に嬉しいことに気づいてしまったので、書いちゃいたいと思います。
帰り道に気づいたことです。
石原さん自身はかわいらしい方なのに、口が悪かったり雑な役が似合っているし好きだな〜と思って、過去の石原さんの好きな役を思い浮かべていました。
そしたら、なんと!!!
私の大好きなドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』で、最高のコンビネーションを見せていたお二人じゃないですか!!!
タコ(青木さん)とえっちゃん(石原さん)!
え!?貝塚さん(=タコ、青木さん)あんな感じになるの!?
あまりに違いすぎて気付かなかったけど、私の大好きな2人やったんや…
通りでなんか2人に好感度高いなと思ったら…
という気づきをしまして、このことを誰かに伝えたくて書きました😆
同じ2人がここまで違う風になるのも、本当にすごいと感じたので、校閲ファンという観点からでもお勧めしたいと思います。
最後までお読みくださってありがとうございました☺︎
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています!
それではまた〜。
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